皆さん、進学する大学をどのように選びますか?せとうち観光専門職(三年制)短期大学は、受験生から選ばれる大学になろうと考え、大学「教育」改革をしています。今更、「専門職短期」大学が「教育」改革?と思われるかもしれません。
いや、「専門職短期」大学だからこそ、「大学教育」の改革をします。しかも、四年制大学の「教育」まで含め、本物の学びを実現する「教育」改革に取り組むつもりです。そこで、これからせとうち観光専門職短期大学が「なぜ」大学教育改革に取り組むのか、そして、どんな「大学教育」改革をめざすのか、を皆さんに紹介します。
せとうち観光専門職短期大学は、この名のとおり、「観光」専門職を育成する三年制短期大学です。それにしても、長い大学名です。文科省の決まりもあって、こんなに長くなりました。長すぎるので、せと短という愛称で呼んでもらえると嬉しいです。
せと短は、高等教育機関の中で今や消え失せる傾向にある短期大学です。しかし、せと短は、四年制大学の学びを超える、独自の三年制大学教育をめざし、改革を進めています。なぜ、大学「教育」改革か?それは、日本の大学「教育」がいろいろな問題を抱えているからです。
だからこそ、これから大学進学をめざし、自身の将来のために大学で真剣に学ぼうとする皆さんは、「大学を選ぶ基準」として、大学「教育」の中身をしっかり見定めるべきです。
世界中で先覚的な大学は、「教育」の変革を考え始めています。そのなかでも、世界中からもっとも注目される教育改革の事例は、2014年に創設されたアメリカのミネルバ大学です。この大学は、ユニークな大学教育でハーバード大学を超えたと評判になりました。日本の大学教育もうかうかしていられません。しかし、日本の大学教育改革は。あまり進められていません。
日本の大学教育は、その制度や慣行において、歴史的に積み重なった多くの難題を抱えています。この難題については、大学進学を志望する皆さんにも、何とか知ってもらい、大学の選択にあたって、よく考えてもらいたいと思います。
この「学長からの一言」では、これから、皆さんが大学を選ぶときに是非とも考えてほしい、大学「教育」の問題について考えます。
さて、日本の大学教育の問題を考える前に、まず、せと短が考えている三年制「大学教育」改革の「さわり」だけですが、紹介しておきます。
本来の大学教育は、皆さんの将来にとって、真に価値のある「学び」になるべきです。その「学び」を通してせと短が卒業生に期待する能力は、「人生を自力で切り拓ける力」です。
そして、このような力を鍛えあげる「真の大学教育とは何か」?この問いを、せと短の教職員はしっかり議論しました。その答えは、「考える」を学ぶ大学教育です。「考える」を学ぶ教育こそ、大学がヨーロッパ中世に誕生して以来、現代に至るまで、今は少しおかしくなっていますが、大学教育の一貫した核心であるはずなのです。
せと短は、このような「考える」を学ぶ大学教育を土台に据え、観光「専門職」教育の学術教育と臨地実務実習を通して、次の4つの「教育目標」を達成します。
第一の教育目標は思考力の鍛錬です。「考える習慣」を養いながら、「広くかつ深く考え続ける思考力」を鍛えます。この目標は、主に一年次の本学独自の土台科目群を通して達成されます。このような思考力の鍛錬は、学生がすべての教科で「考える」を学ぶさいの土台となります。
第二と第三の教育目標は、協働力と実践力のそれぞれの錬磨です。協働力とは、自身の個性や知識を理解したうえで、人と協力し、状況に応じてリーダーシップを発揮できる技量です。また、実践力とは、自力で人生を創造的に切り開くための力量です。この2つの目標は、地域としっかり連携した臨地実務実習や専門演習などを通して培われます。
そして最後、第四の教育目標は使える英語です。この目標では、学生が自身を表現する手段の一つとして、世界の共通言語である英語を習得します。この実用英語は一年次に基礎から始められ、三年次の応用で完成されます。
この4つの教育目標を学ぶせと短は、徹底的な学びの場ですが、窮屈な教育の場ではありません。教職員と学生、学生同士の関係がとても親しい、自由で大らかな学びと学生生活の場です!