グランドハンドリングになるには?資格・年収・仕事内容を元業界人が解説!最適な進路選び完全ガイド
飛行機を地上で支える「グランドハンドリング」の仕事に憧れを抱いている高校生は多いでしょう。しかし、具体的に「どうすればなれるのか?」「大学と専門学校、どちらに進学すべき?」といった進路の悩みも尽きないはずです。
この記事では、グランドハンドリングの仕事の魅力から、あなたに最適な進路を見つけるための具体的な方法まで、航空業界のプロが分かりやすく解説します。この記事を読めば、夢への第一歩を自信を持って踏み出せるようになります。
グランドハンドリングとは?空港の安全を支えるプロフェッショナルの仕事内容
グランドハンドリングとは、空港の地上で航空機の安全運航を支える、あらゆる業務の総称です。飛行機が空港に到着してから、再び出発するまでの限られた時間内に、多くの専門スタッフが連携して作業を行います。お客様が快適で安全な空の旅を楽しむために、グランドハンドリングは決して欠かすことのできない「縁の下の力持ち」なのです。その仕事内容は多岐にわたりますが、チーム一丸となって飛行機を送り出す、非常にやりがいの大きい仕事です。
グランドハンドリングの仕事は、大きく分けて以下のような業務があります。
航空機誘導(マーシャリング)
パドルと呼ばれるしゃもじのような道具を使い、到着した航空機を決められた停止位置まで安全に誘導します。
航空機の移動(プッシュバック・トーイング)
専用の特殊車両(トーイングカー)を使って、航空機を駐機場から滑走路の手前まで押し出したり(プッシュバック)、牽引したり(トーイング)します。
手荷物・貨物の搭降載
お客様から預かったスーツケースや貨物を、航空機の貨物室へ搭載したり、降ろしたりする作業です。
給水・汚水処理
機内で使用する飲料水などを補給し、トイレの汚水を抜き取る作業です。衛生管理が重要になります。
機内清掃
お客様が降機した後、次のフライトまでに客室を清掃し、座席ポケットの雑誌などを整えます。
除雪・防氷作業(冬季)
雪の降る地域では、機体に積もった雪を取り除いたり、翼が凍結しないように特殊な液体を散布したりする重要な作業です。
ここでは、グランドハンドリングスタッフのある1日の仕事の流れをモデルケースとしてご紹介します。
出社・業務確認
チームでその日のフライトスケジュール、担当便、天候、注意事項などを確認します。安全第一で作業するための重要なミーティングです。
担当便の到着対応
到着ゲートで飛行機を待ち構え、誘導担当者が的確な合図で誘導します(マーシャリング)。飛行機が停止したら、車輪止めを設置し、お客様が乗り降りするための通路(搭乗橋)を機体に接続します。お客様の手荷物や貨物を専用車両を使って慎重に降ろします。
出発準備(ターンアラウンド)
次のフライトに向け、機内清掃、給水、汚水処理などを迅速に行います。出発地へ向かうお客様の手荷物や貨物を、航空機のバランスを考慮しながら搭載します。
昼休憩
飛行機を見ながら休憩できるのも空港勤務の魅力の一つです。
担当便の出発業務
お客様の搭乗が完了したら、専用の特殊車両で飛行機を滑走路方向へ押し出します(プッシュバック)。滑走路へ向かう飛行機に、チームで手を振って見送ります。
フライト対応
午後の到着便・出発便の対応を続けます。天候の急変による遅延など、イレギュラーな事態にもチームで連携して対応します。
業務終了・引き継ぎ
夜勤のチームに業務内容や特記事項を引き継ぎ、一日の仕事は終了です。
グランドハンドリングになるには?3つの進路を徹底比較【大学・専門職短大・専門学校】
グランドハンドリングスタッフになるための進路は、主に3つあります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った道を選びましょう。
【選択肢1】
専門学校で実践スキルを最短で習得する道
メリット
航空業界に特化したカリキュラムで、グランドハンドリングに必要な専門知識や技術を短期間(主に2年間)で集中的に学べます。業界とのつながりが強く、就職に直結しやすいのが最大の魅力です。デメリット
卒業時に得られる称号は「専門士」であり、法律上「大卒」とはなりません。そのため、将来的に総合職などへキャリアチェンジを考えた際に、選択肢が限られる可能性があります。
【選択肢2】
4年制大学で幅広い教養と専門知識を学ぶ道
メリット
卒業すると「学士」の学位が取得でき、「大卒」の学歴が得られます。グランドハンドリング職だけでなく、航空会社の総合職など、将来のキャリアの選択肢が広がります。幅広い教養を身につけられるのも魅力です。デメリット
専門学校に比べて学費が高くなる傾向があります。また、学問が中心となるため、グランドハンドリングに特化した実習や訓練の時間は少ない場合があります。
【選択肢3】
専門職短期大学で「学歴」と「実践力」を両立する新しい道
メリット
卒業すると「短期大学士(専門職)」という公的な学位が取得でき、「短大卒」の学歴が得られます。カリキュラムの3分の1以上が実習で構成されるなど、専門学校のように実践的な技術を深く学べるのが特徴です。4年制大学より学費を抑えつつ、学歴と即戦力となる技術の両方を手に入れることができます。デメリット
比較的新しい制度のため、まだ全国的に設置されている学校の数が少ないのが現状です。
グランドハンドリングに必要な資格一覧
グランドハンドリングの仕事に就くためには、普通自動車運転免許が必須です。それ以外の特別な資格については、入社後に会社のサポートを受けながら取得することが一般的ですが、学生のうちに取得しておくと有利な資格もあります。
必須となる資格:普通自動車運転免許
空港内では多くの特殊車両を運転するため、普通自動車運転免許は必須です。AT限定可の求人も多数ありますが、一部の企業や業務ではマニュアル(MT)車の運転が求められる場合もあります。高校卒業後、早めに取得しておくと良いでしょう。
入社後に取得する主な専門資格
グランドハンドリングの仕事で必要となる専門的な資格の多くは、入社後に会社のサポートを受けながら取得します。例えば、大型特殊自動車免許やけん引免許などは、業務内容によっては必要となる場合がありますが、未経験者向けの求人では普通自動車運転免許のみで応募可能なケースがほとんどですし、これらの資格は入社後に取得を支援されることが一般的です。焦って学生のうちに取る必要はありません。
- 大型特殊自動車免許
- けん引免許
- 航空機地上支援器材資格 など
学生のうちに取得を検討しておくと良い資格は?
就職活動で直接的に「必須」とされることは少ないですが、学生のうちに取得を検討しておくと、入社後の業務やキャリアアップに繋がる可能性がある資格を以下に挙げます。
実用英語技能検定(英検)/ TOEIC
国際線での業務や、外国人スタッフとの連携を考えると、英語力は非常に重要です。多くの企業で、応募条件として英検2級程度またはTOEIC550点以上が求められるため、学生のうちから積極的に英語学習に取り組み、これらの資格取得を目指すことは、就職活動において大きなアドバンテージとなります。
危険物取扱者
航空貨物の中には危険物も含まれるため、関連業務に携わる際に専門知識が役立ちます。興味があれば取得を検討しても良いでしょう。
フォークリフト運転技能者
貨物の積み下ろし作業などでフォークリフトを使用する業務もあります。この資格は、入社後に取得を推奨されることもありますが、事前に取得していれば即戦力として評価される可能性があります。
グランドハンドリングの給料・年収はどのくらい?
グランドハンドリングスタッフの初任給は、学歴や勤務地にもよりますが、一般的に18万円〜22万円程度が目安です。
平均年収は、経験や役職によって幅がありますが、およそ300万円〜500万円程度と言われています。これに加えて、早朝や深夜勤務の手当、住宅手当などが支給される場合が多いです。
入社後は、現場での経験を積みながら、様々な特殊車両の資格を取得していきます。経験を重ね、チームをまとめるリーダーや、部署全体を管理する管理職へとキャリアアップすることで、役職手当などがつき、年収も着実に上がっていきます。日々の努力が評価されやすい仕事と言えるでしょう。
グランドハンドリングに向いている人の特徴5選
1.
体力に自信がある人
屋外での作業が多く、時には重い荷物を扱うこともあるため、基礎的な体力は必要です。
2.
時間やルールを厳守できる人
飛行機の運航は秒単位で管理されています。定時運航を守るため、時間を守る意識とルールに沿って正確に作業する力が求められます。
3.
チームワークを大切にできる人
グランドハンドリングは一人ではできません。多くの仲間と声を掛け合い、協力して一つの便を送り出す仕事です。
4.
飛行機や乗り物が好きな人
「好き」という気持ちは、仕事を続ける上での大きなモチベーションになります。巨大な飛行機を間近で扱えるのは、この仕事ならではの魅力です。
5.
強い責任感を持っている人
自分の仕事が、多くのお客様の命と安全に直結しているという強い責任感を持って業務に取り組めることが非常に重要です。
グランドハンドリングのやりがいと将来性
グランドハンドリングの最大のやりがいは、チーム全員で協力し、無事に飛行機を定刻で出発させられた時の大きな達成感です。滑走路へ向かう飛行機に手を振って見送る瞬間は、何物にも代えがたい感動があります。自分たちの仕事が、多くの人々の移動を支え、社会に貢献しているという実感を得られる素晴らしい仕事です。
「将来、AIに仕事が奪われるのでは?」と不安に思う人もいるかもしれません。確かに、一部の単純作業は将来的に自動化される可能性はあります。しかし、天候の急変や機材のトラブルといった予測不能な事態への対応や、複雑な状況下での判断、そしてチーム内での円滑なコミュニケーションは、人間にしかできない重要な役割です。航空需要は今後も世界的に増加が見込まれており、グランドハンドリングの仕事がなくなることはなく、安定した将来性があると言えるでしょう。
グランドハンドリングに関するよくある質問(Q&A)
現在、多くの女性スタッフがグランドハンドリングの現場で活躍しています。力仕事のイメージがあるかもしれませんが、近年は作業を補助する機械の導入も進んでいます。体力に自信のある女性であれば、性別に関係なく十分に活躍できる仕事です。
特に国際空港では、外国人スタッフとの連携や英語での情報伝達が日常的に発生するため、英検2級程度またはTOEIC550点以上を目安とする求人が多く見られます。これは「あれば有利」というレベルではなく、採用選考において重視されるほぼ必須に近い要件と考えて良いでしょう。学生のうちから英語学習に積極的に取り組み、基礎的なコミュニケーション能力を身につけておくことを強くおすすめします。
ただし、求人の多くは専門学校や短期大学、大学の卒業者を対象としているのが現状です。進学して専門知識や技術を身につけることで、就職先の選択肢が大きく広がるため、高校卒業後の進学を強くおすすめします。
航空機を誘導するマーシャリング業務などでは一定の視力が求められますが、メガネやコンタクトレンズを使用して基準をクリアできれば大丈夫です。ただし、具体的な基準は航空会社によって異なるため、各社の採用情報を確認するようにしましょう。
まとめ:グランドハンドリングの夢を叶える第一歩は、あなたに最適な学校選びから
グランドハンドリングになるためには、専門的な知識と技術が不可欠です。そして、その土台を作るのが進学先の学校選びです。
「大卒資格も欲しいけど、実践的な技術もしっかり身につけて早く現場で活躍したい」
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