せとうち観光専門職短期大学

観光Web講義


多 昭彦

⑪ポイントに踊る日々

 私は現在、月曜日から金曜日まで愛知県に住んでいます。そして、週末に奈良県に帰るのが通例です。このページを継続してお読みくださる方には、聞き飽きた話かもしれませんが、おそらく、そういう方はまずおられないでしょう。あなたはきっと、たまたまこのページに足を踏み入れてしまった不運な方に違いありません。お気の毒です。このまま続けますので、少しだけご辛抱ください。

 私は、仕事が終わり一人暮らしのアパートに帰る途中、毎日同じドラッグストアへ寄ります。夕食のおかずとビールを買うためです。どうして毎日通うのかというと、この店は会員になるとポイントをたくさんくれるからです。独自のポイントは100円で2ポイント。なんと、通常の2倍ですよ。さらに、R〇〇u〇〇nポイントも貯まるのです。おまけに、毎月15日、16日、17日は、シニアデーで60歳以上は5%引きとなるのでとてもお得なのです。

 このように私は今、この薬局のポイント作戦に踊らされています。魅せられているといっても過言ではありません。『魅せられて』と言えばエーゲ海を思い出しますが、私はイージリスニングのファンでもあるので、エーゲ海と言えば、『エーゲ海の真珠』を思い出しますし、思わず指揮をしたくなりますが、実は、この曲名の日本語訳の意味をあまりよく考えていませんでした。真珠の養殖が盛んな三重県の英虞湾のようなところなのかと思いましたが、全然違いました。

 エーゲ海に浮かぶ島のひとつであるミコノス島は、町並みが大変美しく有名で、白亜でできた壁に鮮やかなブルーがアクセントに使われた建物の一つ一つが芸術品のようだそうです。美しい町並みが広がるミコノス島は、ヨーロッパにおける歴史的な観光スポットで、その美しさから、「エーゲ海の真珠」と呼ばれているそうです。とても、勉強になりました。

 話は戻りますが、考えてみれば私たちがポイントに踊らされるようになって、かなり時間が経ったような気がします。当初はポイントカードも紙か、それをパウチしたようなものでしたが、それがプラスチックのカードになり、枚数が増えると大変だとなると、今度はスマホのアプリになるなど、目を見張るような進化を遂げています。最近では、マイナンバーカードを作った人はマイナポイントを貰えるなど、政府までポイントを使って、マイナンバーカードを国民に浸透させようとしています。

 愛知県では、緊急事態宣言の解除を受けて、「あいち旅eマネーキャンペーン」が始まりました。あいち旅eマネーキャンペーンとは愛知県内在住者の県内旅行を対象に、旅行代金の50%相当額 (最大5,000円分/人/1旅行)と土産物店、飲食店、観光施設等での利用金額の100%相当額(最大2,000円分/人/1旅行)がポイント還元されるキャンペーンだそうです。

 これについては、毎朝ニュースで報道され、予約状況等も報告されているような状況で、コロナ禍で打撃を受けた観光業界への支援策として大いに期待されています。愛知県は文化財も豊富で、県内でも海の幸、山の幸を十分に味わえるので、私も是非行きたいなと思った瞬間、バットで頭を殴られました。もちろん、本当に殴られたら死んでしまうので、それほどショックをうけたことの比喩です。実は、私は愛知県に住んではいますが、愛知県民ではなく、住民票を奈良県に置いたままなので、居住を証明するものがありません。なので、これを使うことはできません。

 このような注意書きがありましたので、念のため。

※キャンペーン登録時に愛知県民宣誓(愛知県内に在住していること)をし、チェックイン時に居住地の確認ができる本人確認書類の提示が必要です。居住地の確認ができない場合は、本キャンペーンの適用外となりますのでご了承ください。なお、同行者であっても愛知県外在住の方については適用外です。

 いやはや、また踊らされるところでしたが、しかし踊らされると言えば何と言っても『マツケンサンバ』ですね。イントロが流れてきただけで、自然に体が動き出すような気がします。以前TVを見ていたら、ある音楽の専門家が、サンバにボンゴは使わないのに、これが歌詞になって、何の抵抗もなく定着してしまうのが日本らしい。そういう国であり文化だと仰っていたのを思い出しました。

 そんなこと気にせず「ええじゃないか、ええじゃないか」と、踊りましょう。もしかしたら、伊勢神宮のお札が降ってくるかもしれませんよ。

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